003:フランソワーズの毒舌

「Q」の封切りでエヴァの怒濤が押し寄せている今、この速さなら言える!
「009 RE:CYBORG」を観てきました。その前に読んだ、朝日新聞の「008:ピュンマ博士の告白」があまりに面白かったので、私も「003:フランソワーズの毒舌」というのを書いてみました。
当初、とても表で公開する勇気がなかったのでFBにアップしてみたのですが、友人たちの反応から、毒にも薬にもなっていない人畜無害なテキストであることが分かったので、思い切って放出してみます。
若干のネタバレあるので、 要注意です。
::

ボンジュール。サイボーグ003、フランソワーズです。映画観てから、ウィキペディアで設定を調べ直したら、私、フランス人だったんですね。ずいぶん、流暢な日本語で話してましたけれど。細かいところはさておき、今回の映画、観て頂けたでしょうか?
まず、みんなイケメン度が上がってたわね。001、私のジョーは憂いを帯びた少年ぽくて素敵だし、002、ジェットも白人であることを表現しようするあまり、お前はお茶の水博士か? 芥川龍之介の「鼻」か? とツッコミたくなる原作の絵柄からは想像もつかないぐらい、格好よくなってたわ。
見所のひとつは、戦闘機を追いかけて来た2人が空中で出会うシーンね。過去の確執を再燃させて口論になるけれど、ジョーは内心、ジェットを信じていたことが後にわかって、かつての熱い友情が再び……あら、まだ冬コミに薄い本は間に合うかしら?(しかも、ジェットは飛行中、真っ裸ですのよ!!)

ええと、ごめんなさい。本題に戻します。001、イワンもかわいい赤ちゃんで、優しい筋肉担当の005、ジェロニモの片腕の中で疲れて眠ってしまうところなんて、キュートだったわ。
004、ハインリヒも渋かったわね。中の人は、ハガレンのマスタング大佐や攻殻機動隊のサイトーと同じ大川透さん! 隻眼だったり目の色が薄かったり、目に特徴があるとか、銃火器のプロとか、色々共通点があるだけに、今回もはまり役でした。序盤で失踪してしまって最後まで出てこなかった008、ピュンマが懸命に考えた推論も、ハインリヒが全て解説してしまうという、「体だけじゃなくて頭もいいぜ俺!」的なおいしい役だったし。正直な話、今回、彼が私のイチオシです!

それから、007、グレートねえ...前半でジェットを呼び出して飲みながら色々語ってるんだけれど、後から考えるとあの時間、もったいなくね? 思わせぶ りなことを言っておいて、結局、ピュンマ同様、謎の美少女を追っかけて失踪してるし。お酒飲みながらかっこつけて男が語ることって大抵、何の役にも立たないことが多いわよね。 あの時間、もう少しラストシーンの説明に使ってほしかったわ!
 
そうそう、忘れてはいけないのが、そのピュンマ。本編ではほとんど出てきません! 彼が発掘した「天使の化石」って何よ? そもそも彼、考古学者じゃないの?  「化石」を掘るのは、人類学者か古生物学者で、考古学者は化石を掘らないと思うのだけれど。それにあの結末から考えると、「天使」が実在したかもよくわからない。
ということは、あの「天使の化石」って、もしかしたら、ピルトダウン人みたいに捏造されたものか、日本に古来より伝わる人魚や河童のミイラみたいな代物なんじゃないかしら。そんなものをつかまされたピュンマって……
 
いずれにしても、彼の能力が何なのか、最後までよく分からなかったわね。見に行った映画館のエレベーターで、外国人が「(ポスターに描かれたピュンマ を指差して)彼の能力は?」と同行の日本人に訊ねていたけれど、「He can swim!」って笑われていたわ…… 
 
ピュンマの話はこれぐらいにして。さて、最後になったけれど、私の活躍もご覧頂けたかしら? 高いところから摩天楼にダイブする登場シーンはどっかの少佐みたいで既視感あふれてたけど、そんなことよりなに? あの短いタイトスカートと網タイツ。どこのエロ熟女よ?
下からのカメラアングルばっかりなのも気になったわ。高齢になりつつある原作ファンへのサービスなのかしら? それから、覚醒したジョーとの機上ラブシーン。いきなり、黒いレースの下着姿で迫ってますけど、「課長島耕作」にあった、コートの下は全裸で迫る女ぐらい、ありえなかったわね。なにあれ、男の夢ってやつなの? 

女子としては、同じ飛行機に乗ってるジェロニモがどう思ったかの方が気になるわ。私の職場でのイメージってものも、考えてほしいのよね、本当に(あ、加速装置を使えば瞬時に終わるから気づかれないのかしら? あら、私ったら)。
確かに以前から、「あれ?フワンソワーズってどんな能力があったけ?」「……かわいい担当?」と言われるぐらい、私は内面よりも外見しか覚えていてもらえなかったキャラクターでしたけれど、あれじゃあ「かわいい担当」じゃなくて、「エロい担当」になってしまうじゃないの!!!!!
私にも、「彼の声」が聞こえるわ。「斎藤美奈子の「紅 一点論」読んで出直せっての!」

 

(賛否両論ありますが、わたしは面白かったです。ぜひ、映画館でご覧ください。006、張々湖についての記述がないのは、素で忘れていたからです。すみません。でも、ピュンマより活躍はしてました)